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基本部分引き上げで、キャリアに応じた賃金体系を―09年回顧と10年の展望 全国老人保健施設協会・川合秀治会長(医療介護CBニュース)

 介護職員の給与を経験に応じて手厚くするには、一律アップの「介護職員処遇改善交付金」の制度では難しいと、全国老人保健施設協会(全老健)の川合秀治会長は強調する。介護報酬の基本サービス費を引き上げ、将来的に給与がどれだけ上がるのかの展望を持てることが大事という。また、鳩山新政権が介護療養型医療施設(介護療養病床)の廃止方針を凍結したことをきっかけに、急性期からの受け皿の在り方や、在宅までの機能をどのように仕分けるかの再検討が必要だという。

―2009年4月の介護報酬改定によって、老健職員の処遇はどの程度改善されましたか。
 今回は基本サービス費ではなく、加算による引き上げが中心でした。加算が取れた施設はある程度改善ができるだろうが、そうでない施設もたくさんあります。全体としてどれだけ処遇が改善されたかは、もう少し調査しないと分かりません。
 では、加算を取得できない施設は駄目なのか。「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」は在宅復帰率と連動しています。在宅復帰は老健の一つの機能ですが、それ以外にも医療、リハビリ、認知症に対応する機能を担う施設もあります。基本的にはすべての老健が利用者を在宅に戻すよう頑張っていると信じているが、現実的には復帰率が高くない施設が存在している。ただ、それだからサービスが悪いと考えるのはいかがなものかと思います。地域特性で低いこともやむを得ない場合もあります。

―どのような報酬改定にすべきだったのでしょうか。
 基本サービス費を上げて、加算はもう少し薄くてもよかったのではないか。“護送船団方式”がいつまでも続くとは思わないが、今回の3%アップは基本部分を1%でも2%でも上げて、残りを加算に充てられたのではないでしょうか。それだけでも、めりはりは付いたはずです。

―「介護職員処遇改善交付金」は処遇改善につながりますか。
 全老健は交付金の名称を「介護職員『等』」にしてほしいと、厚生労働省などに要望しました。多職種が働く中で賃金のバランスを取りたかったのと、介護職の賃金カーブをキャリアに応じ、右肩上がりにしたいと考えたためです。だが、キャリアに関係なく各介護職員の給与を一律に引き上げる交付金では無理。1年目よりも5年目の職員に多くあげるためには、基本サービス費の引き上げが必要です。
 老健の介護職員は今の給料が低いからではなく、この年ならここまで賃金が上がるという保証がないために離職し、他の職に移ってしまうのです。

-新政権が介護療養病床の廃止方針の凍結を示しました。
 医療全体から見たときに急性期病棟をどのように考えるのか、再評価してほしい。財務的な見地ではなく社会保障の立場から、急性期病棟での入院日数を短くした分の受け皿はどこなのかを、在宅も含めて考えてほしいと思います。

■急性期と在宅の中間の仕分けを

-そのために必要になるのは?
 一つの局面としてまず廃止方針を凍結して、再整理をすべきでしょう。DPCやDRG-PPS(医療費の診断群分類別定額払い)のように、入院日数を短くしていくべきかどうかを、社会保障の側から提言する必要があります。
 また、急性期と在宅の中間をどのように仕分けするのか、受け皿としての療養病床と在宅への橋渡し役としての老健について考える必要があります。一度立ち止まって考え直すための凍結なら大賛成です。単に既得権益を守るだけの凍結なら、個人的には自法人も療養病床を多く抱えていますが、いかがなものかと思います。

―在宅に戻すには何が必要なのでしょうか。
 社会整備ができていない中で、患者を追い出すように在宅に向かわせていいのでしょうか。
 そのためにはまず、制度的には診療所の数が確保されてきているので、訪問看護のスタッフの数と質の充実が必要でしょう。ヘルパーを増やす以外にも、医療的な認識のある訪問看護とクリニックの連携が必要になる。それらを地域でまとめるには、老健も大きな力になり得ると確信しています。このほか、宅配給食も安否確認ができるという点で重要だと思います。
 訪問看護と老健が病院、診療所、特養などをコーディネートしていけば、医療と介護の間でいわゆるシームレスな連携が可能になるのではないでしょうか。利用者も在宅、施設入所などを選択できるようになると思います。

―施設間の在宅復帰率に差があると言いましたが。
 地域の介護力の問題で差が出ます。首都圏のように家族の介護力は低いが、訪問介護や訪問看護などいろいろな社会資源が整っている所は、比較的在宅復帰しやすい。しかし、社会資源が整っていない地方の場合、家族の介護力がなければ在宅は難しいでしょう。

―2012年度の医療・介護の同時報酬改定には何を要望しますか。
 介護職員の賃金カーブを右肩上がりにするためにも、基本サービス費を見直してほしい。また、医療については診療技術や薬の進歩、入所者の重度化が進んでいます。認知症などに対しても包括外給付の枠を拡大してほしいと思います。

―でも、引き上げの可能性は見えにくいのでは。
 これからのわれわれの動き次第ではないでしょうか。どれだけ情報発信をするのか、政治家やメディアを現場に引き込み、世論を味方に付けるのかだと思います。また、俯瞰的な目で社会保障をどうするかについて語らう一方で、現場の現実を直視する場を設けていけば、前進したと思える成果を得られることは不可能ではないでしょう。

■老健は多様な機能が「混在」する施設

―現場を見てほしいと言いますが、何を見せたいのですか。
 試行錯誤をしている姿を見てくれればいいと思います。いろいろなことにチャレンジしてみようと言う施設長がいる施設があり、その思いに現場の多職種の仲間が応えています。外から見れば、それは混乱と映るかもしれません。老健にはケアカンファレンスがあります。スタッフみんなで個々の利用者の現実を直視した議論をするのが基本。その場において、「この利用者はこのような理由で在宅復帰が難しい。長期入所になってしまう」と判断するのであれば、それが悪いとは言えないはずです。
 そもそも利用者一人ひとりが違います。認知症を取ってみても、一つのパターンに当てはめるのは大間違い。その点から言えば、要介護認定の在り方もおかしいと思います。基礎疾患は何なのか、そこから導かれた疾患、その人の障害まで判断しないと。
 高齢者には医療と介護が絶対不可分。老健の利用者は障害や疾病を持っており、医療のみ、介護のみの提供はあり得ません。
 老健は介護と医療の、施設と在宅の中間施設というより、さまざまな機能が「混在」しながら成り立っているのでしょう。そういった施設はほかにないと思います。


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